火車 (新潮文庫)のレビュー
ラストに思わず自分の手を伸ばしそうになるほど、のめり込む!!
間違いなく傑作の部類に入る作品だと思います。
きっかけはごく些細な事。
誰にでも起こりうるちょっとしたことから
決して後戻りすることができない事態へ発展してしまうことの恐怖を感じました。
クレジットは身近にあるサービスですが
果たしてどこまでそのサービスが引き起こしうる
悲惨さを認識できているのでしょうか?
そんなことを想起させる一冊でした。
間違いなく傑作の部類に入る作品だと思います。
きっかけはごく些細な事。
誰にでも起こりうるちょっとしたことから
決して後戻りすることができない事態へ発展してしまうことの恐怖を感じました。
クレジットは身近にあるサービスですが
果たしてどこまでそのサービスが引き起こしうる
悲惨さを認識できているのでしょうか?
そんなことを想起させる一冊でした。
良さが分からなかった
このミスがすごいの過去20年間ベスト・オブ・ベスト第1位、
200万部以上の売り上げ、アマゾンのレヴューも高評価。
ということなので、まずハズレ作品ではないだろうと思い購入したが、
ところがどっこいビックリするぐらいの大ハズレでした。少なくとも自分には。
全体的に冗長な作品で、淡々と人探しを続ける展開にげんなりしてしまう。
事件や犯行、トリック(と言っていいものかどうか)も、なんの衝撃も戦慄もありません。
ラストまで拍子抜けでちょっと腹立ってくる。
カード破産の問題等は発行された当時92年ぐらいでは新鮮だったのかもしれませんが、今読むと何の目新しさもない。
この作品は94年に土曜ワイド劇場でドラマ化されてるらしいですが、
その手の2時間モノのサスペンスドラマにピッタリくるような小説だと思いました。
読み進めるのが苦痛で、ちょっと読んでは止め、ちょっと読んでは止め、結局読み終わるのに1ヶ月近くかかってしまった。
200万部以上の売り上げ、アマゾンのレヴューも高評価。
ということなので、まずハズレ作品ではないだろうと思い購入したが、
ところがどっこいビックリするぐらいの大ハズレでした。少なくとも自分には。
全体的に冗長な作品で、淡々と人探しを続ける展開にげんなりしてしまう。
事件や犯行、トリック(と言っていいものかどうか)も、なんの衝撃も戦慄もありません。
ラストまで拍子抜けでちょっと腹立ってくる。
カード破産の問題等は発行された当時92年ぐらいでは新鮮だったのかもしれませんが、今読むと何の目新しさもない。
この作品は94年に土曜ワイド劇場でドラマ化されてるらしいですが、
その手の2時間モノのサスペンスドラマにピッタリくるような小説だと思いました。
読み進めるのが苦痛で、ちょっと読んでは止め、ちょっと読んでは止め、結局読み終わるのに1ヶ月近くかかってしまった。
ミステリー小説とはなんぞや
ミステリー小説と期待して読むとがっかりしてしまう点は多いと思います。
本書は「誰が」「どうやって」その人を殺したか、を問題としていないので
そういった推理的な部分をミステリー小説に期待する方には拍子抜けしてしまうのではないでしょうか。
トリックを推理するのではなく、「なぜその人はそうしなければいけなかったのか?」という部分が読みどころだと思います。
細かいトリックのような部分もなくはないですが、本書においては味付けにすぎないでしょう。
刑事、犯罪者、新婚夫婦、刑事の子供・・登場人物は様々ですが、そのほぼすべてに感情移入ができます。
誰に彼女を責めることができるのか?
なぜ責めることができないのか?
誰のせいでこうなってしまったのか?
まさに「社会派ミステリー」の代表作と言っても過言ではないでしょう。
本書は「誰が」「どうやって」その人を殺したか、を問題としていないので
そういった推理的な部分をミステリー小説に期待する方には拍子抜けしてしまうのではないでしょうか。
トリックを推理するのではなく、「なぜその人はそうしなければいけなかったのか?」という部分が読みどころだと思います。
細かいトリックのような部分もなくはないですが、本書においては味付けにすぎないでしょう。
刑事、犯罪者、新婚夫婦、刑事の子供・・登場人物は様々ですが、そのほぼすべてに感情移入ができます。
誰に彼女を責めることができるのか?
なぜ責めることができないのか?
誰のせいでこうなってしまったのか?
まさに「社会派ミステリー」の代表作と言っても過言ではないでしょう。
ただ法の正義の為でなく
主人公の本間俊介は業務上の怪我で休職中の警察官である。甥の栗坂和也の婚約相手である関根彰子が失踪した件について、和也から調査を依頼される。
和也が彰子にクレジットカードを作成させると、過去に自己破産していたという事実が明らかになる。そして彰子は失踪した。
彰子は自分が自己破産したという事実を知らなかったのだろうか?
本書を理解するには破産関連の法律や戸籍などの個人情報を扱うシステムに関する知識が必要であるが、文脈中にそれらの知識も自然に編み込まれている。
彰子の過去を調べると不可解な事実が浮かび上がってくる。あたかも和也の知る彰子と別の彰子がいるような事実が。そしてほどなく、それが真実であることが分かる。
新城喬子という女性が関根彰子の人生を乗っ取ったのだ。彰子は消されたのか?
本間が新城喬子の行方を調べると、喬子の不幸な人生が浮かび上がってくる。不幸なんてものじゃない。本人には何の責任もない理由で、地獄のような人生を送ってきたのだ。
喬子の人生が明らかになるにつれ、評者はこの容疑者への哀れみや同情を強く感じるようになる。彼女をこの燃えさかる火車のような人生から救い出せるのなら、それが冷たい牢獄の中でもかまわない。そして彼女を救い出す手段は、残念ながら他に無いと思う。
法の正義の為ではなく、彼女を救い出すために彼女を逮捕して欲しいと願い読み進めた。
本書のように、他人の人生を乗っ取るという事件は、さすがに現実には起こらないと思う。しかし「闇金により喬子と同程度に苦しむ人々が現実に居るのではないか?」と思わせるリアリティーがある。実際、本書中の闇金の振る舞いは断片的には評者も知っていた。
宮部氏はそれらを一つの人生として繋げることで、評者の拙い想像力では及びもつかない、借金地獄の壮絶な苦しみを示した。評者はこの作品から小説の枠を越えた恐怖と怒りと悲しみを感じた。
和也が彰子にクレジットカードを作成させると、過去に自己破産していたという事実が明らかになる。そして彰子は失踪した。
彰子は自分が自己破産したという事実を知らなかったのだろうか?
本書を理解するには破産関連の法律や戸籍などの個人情報を扱うシステムに関する知識が必要であるが、文脈中にそれらの知識も自然に編み込まれている。
彰子の過去を調べると不可解な事実が浮かび上がってくる。あたかも和也の知る彰子と別の彰子がいるような事実が。そしてほどなく、それが真実であることが分かる。
新城喬子という女性が関根彰子の人生を乗っ取ったのだ。彰子は消されたのか?
本間が新城喬子の行方を調べると、喬子の不幸な人生が浮かび上がってくる。不幸なんてものじゃない。本人には何の責任もない理由で、地獄のような人生を送ってきたのだ。
喬子の人生が明らかになるにつれ、評者はこの容疑者への哀れみや同情を強く感じるようになる。彼女をこの燃えさかる火車のような人生から救い出せるのなら、それが冷たい牢獄の中でもかまわない。そして彼女を救い出す手段は、残念ながら他に無いと思う。
法の正義の為ではなく、彼女を救い出すために彼女を逮捕して欲しいと願い読み進めた。
本書のように、他人の人生を乗っ取るという事件は、さすがに現実には起こらないと思う。しかし「闇金により喬子と同程度に苦しむ人々が現実に居るのではないか?」と思わせるリアリティーがある。実際、本書中の闇金の振る舞いは断片的には評者も知っていた。
宮部氏はそれらを一つの人生として繋げることで、評者の拙い想像力では及びもつかない、借金地獄の壮絶な苦しみを示した。評者はこの作品から小説の枠を越えた恐怖と怒りと悲しみを感じた。

そのあまりに真に迫った描写にそれが十分自分にも起こりうることなのだと思い知らされました。
誰でも知り合いにカードローンに苦しむ人が一人か二人はいるかもしれませんが、これを読めば、
それを馬鹿にする気など起きなくなると思う。自分も今まで馬鹿にしていた思いが吹き飛んだ。
ああ、あの人も苦しかったんだなと思い、一歩間違えば主人公の女性が自分の姿だとも思えた。
同時に「借りすぎにはご注意を」という言葉が脳裏をよぎった。